ピコレーザー治療による痛みの伝え方。施術方法による違いや対策とは
ピコレーザーは、極短い照射秒数のレーザーを当ててメラニンを粉砕することによって、肌質の改善やターンオーバーを促進する美容医療の施術方法です。
シミやたるみ、小じわ、アートメイク除去などの幅広い肌悩みに対してアプローチできる方法として注目されています。しかし、レーザーを照射する際には痛みを伴う場合があり、これから施術を受けようと考えている患者にとって心配事の一つと考えられます。
美容クリニックの担当者のなかには、「ピコレーザーによる痛みはどのようなものなのか」「患者から痛みについて聞かれた際にどのように伝えればよいのか」と気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ピコレーザーの治療による痛みや患者への伝え方、施術時に用いられる麻酔について解説します。
なお、ピコレーザーによる肌のたるみ治療については、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
ピコレーザーの治療による痛みとは
ピコレーザーを照射して施術を行う際には、人によって痛み(※1)を感じることがあります。ただし、ピコレーザーは従来のレーザーと比較して肌へのダメージを抑えやすいことから、痛みを感じにくいといわれています。
従来のレーザー治療では、照射時間がナノ秒(10億分の1秒)に対して、ピコレーザーはより短いピコ秒(1兆分の1秒)での照射を行います。照射時間を短くして効率的にメラニンを小さく粉砕できるため、施術時間を短縮することが可能です。
▼従来のレーザーとピコレーザーの照射秒数
また、従来のレーザーでは熱を与えてアプローチすることから、周辺組織まで熱の影響が広がりやすくなります。ピコレーザーの場合は光音響作用(※2)による衝撃波でアプローチを行うことから周辺組織へ影響が及ばず、熱による肌へのダメージを抑えられます。
▼従来のレーザーとピコレーザーにおける周辺組織への影響
なお、ピコレーザーとヤグレーザーの違いについてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
※1…痛みの程度や感じ方には個人差があります。
※2…レーザー照射によって組織が熱膨張を起こして衝撃波を発生させる現象
出典:厚生労働省『厚生労働科学研究補助金(地域医療基盤開発推進研究事業)令和3年度分担研究報告書』
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【施術方法別】ピコレーザーによる痛みの伝え方
ピコレーザーによる痛みについては個人差がありますが、不安をなくすために患者へ分かりやすく伝えることが重要です。また、照射する範囲やレーザーの出力などによって痛みの感じ方が変わる可能性があることも伝えておく必要があります。
代表的な施術方法と一般的に比喩される痛みの表現は、以下のとおりです。
▼ピコレーザーの施術方法と痛みの表現
施術方法 |
痛みの表現 |
ピコスポット |
輪ゴムでパチパチと軽く弾かれるような痛み |
ピコトーニング |
輪ゴムで弾かれるような痛み、熱をもったような痛み |
ピコフラクショナル |
輪ゴムでパチパチと軽く弾かれるような痛み、チクチクとした痛み |
ピコスポットとは、出力の高いレーザーをピンポイントで照射して、濃いシミやタトゥーなどにアプローチする施術方法です。ピコトーニングは、出力の弱いレーザーを広範囲で照射することで、肝斑や薄いシミなどにアプローチします。
また、ピコフラクショナルは点状のレーザーを照射して、肌の真皮に目に見えない穴を空けることで肌の再生を促進する施術方法です。シミやたるみのほか、ニキビ跡、毛穴の開きなどの治療にも利用されています。
なお、肌の状態によってはピコレーザーの施術を受けられない場合もあります。施術を受けられない人については、こちらの記事をご確認ください。
ピコレーザーの施術に用いられる麻酔
ピコレーザーの施術を行う際には、麻酔を用いる場合があります。患者の健康状態や施術内容に応じて使い分けることが重要です。
麻酔クリーム
麻酔クリームは、麻酔成分を含むクリームを肌の表面に塗って使用します。
▼麻酔クリームのメリット・デメリット
メリット |
デメリット |
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麻酔クリームの効果は皮膚の表面に限定されるため、肌の深部へ治療を行う際にはほかの麻酔を使用する場合があります。また、患者によっては麻酔クリームへのアレルギーを持っている場合があるため、事前に確認が必要です。
笑気麻酔
笑気麻酔は、鎮静・鎮痛作用のある医療用のガスを吸入して使用します。
▼笑気麻酔のメリット・デメリット
メリット |
デメリット |
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笑気麻酔を吸入すると、リラックスした気分になることから痛みへの不安を持つ患者の心を落ち着かせるために使用されます。
局所麻酔
局所麻酔は、麻酔薬を患部に直接注射する方法です。
▼局所麻酔のメリット・デメリット
メリット |
デメリット |
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局所麻酔は持続時間が長く続きやすいですが、注射自体に不安を持つ患者もいるため、笑気麻酔と併用するケースもあります。
まとめ
この記事では、ピコレーザーの施術について以下の内容を解説しました。
- ピコレーザーの治療による痛み
- 患者への痛みの伝え方
- ピコレーザーの施術に用いられる麻酔
ピコレーザーの施術に対して不安を抱える患者に対しては、痛みの感じ方について分かりやすく伝えることが大切です。
ただし、痛みの感じ方には個人差があるため、患者の健康状態や施術内容に応じて麻酔を使用することも検討する必要があります。
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