ピコレーザーとダーマペンの違い。それぞれの特徴や併用できるかを解説
ニキビ跡や毛穴などのさまざまな肌悩みにアプローチする美容医療の治療法として、ピコレーザーとダーマペンなどがあります。
美容クリニックに訪れる患者のなかには「どちらの治療法が自分に合っているか」「併用はできるのか」と悩まれる方もいるため、担当者が分かりやすく説明できるように仕組みや違いを理解しておくことが重要です。
この記事では、ピコレーザーとダーマペンの仕組みや違い、両方の施術を併用して行えるのかについて解説します。
なお、ピコレーザーとヤグレーザーの違いについては、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
目次[非表示]
- 1.ピコレーザーとは
- 2.ダーマペンとは
- 3.ピコレーザーとダーマペンの違い
- 4.ピコレーザーとダーマペンは併用できるか
- 5.まとめ
ピコレーザーとは
ピコレーザーとは、肌に1兆分の1秒という短い時間で照射するレーザーを当てて肌の真皮層を刺激することで、肌の再生や肌質改善を促進する治療法です。
従来のレーザー治療と比較して照射時間が短く熱を使用しないことから、肌への負担(※)が少なく、ダウンタイムを抑えやすいといわれています。
ピコレーザーを用いた施術方法には、主に2つの種類があります。
▼ピコレーザーの施術方法
施術方法 |
概要 |
ピコトーニング |
ピコレーザーの衝撃波によって皮膚内部のメラニンを粉砕して、 肌のターンオーバーを促進する |
ピコフラクショナル |
ピコレーザーを点状に照射して肌の表皮に見えない穴を開けて、 治癒能力による皮膚の再生を促進する |
ピコレーザーの施術方法を変えることで、シミやくすみ、シワ、毛穴、ニキビ跡などの幅広い肌悩みにアプローチできます。
なお、ピコレーザーによる肌のたるみ治療についてはこちらの記事をご確認ください。
※個人差があります。詳しくは美容クリニックやメーカーなどにお問い合わせください。
ダーマペンとは
ダーマペンとは、極細の針がついたペン型の機器で肌に見えない微細な穴を開けることで、新しい皮膚の再生を促す治療法です。
人間には傷を治そうとする創傷治癒力が備わっています。ダーマペンの施術によって肌に小さな穴を空けると、それを修復するために皮膚内部の細胞が活性化されてコラーゲンやエラスチンの生成が促されます。
本来備わった肌の再生力を利用することで、ニキビ跡や毛穴、シワなどの肌悩みに対する改善効果が期待できます。なお、ダーマペンでは患者の肌悩みに応じて針の長さを変えて、皮膚に穴を開ける深さを調整します。
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ピコレーザーとダーマペンの違い
ピコレーザーとダーマペンには、肌へアプローチする原理や主な治療対象、副作用などに違いがあります。患者の肌悩みと状態に合わせて施術方法を選択するとともに、安心して施術を受けられるようにリスクや副作用についても分かりやすく説明することが重要です。
➀アプローチの原理
ピコレーザーとダーマペンでは、肌へアプローチする原理が異なります。
▼アプローチの原理
ピコレーザー |
ダーマペン |
熱エネルギーによる衝撃波によって皮膚の真皮層に刺激を与える |
極細の針で皮膚の表皮と真皮層に見えない無数の穴を空ける |
ピコレーザーでは、レーザー照射によって皮膚内部にある真皮層を刺激することで、シミの元になるメラニンを粉砕したり、肌のターンオーバーを活性化させたりする働きが期待できます。
一方のダーマペンは、皮膚の表皮から真皮層に小さな穴を空けることによって、傷を修復するためにコラーゲンやエラスチンが生成されて、肌の再生を促します。
②治療対象
幅広い肌悩みにアプローチできるピコレーザーに対して、ダーマペンでは主に肌の表面に現れるニキビ跡や毛穴の開きなどの治療に用いられます。
▼主な治療対象
ピコレーザー |
ダーマペン |
|
|
ピコレーザーは、真皮層のメラニンを細かく粉砕できるため、肌の表面だけでなく内部にあるシミやそばかすなどの治療にも対応しています。
一方のダーマペンでは、針を使って肌の表面に対してアプローチできることから、ニキビ跡や毛穴の開きなどの治療に向いています。ただし、メラニンの粉砕はできないため、シミやそばかすを効率的に除去したい場合にはピコレーザーが適しています。
③リスクや副作用
ピコレーザーまたはダーマペンの施術を行う際は、それぞれのリスクや副作用について把握しておくことが重要です。
▼リスクや副作用
ピコレーザー |
ダーマペン |
|
リスク |
色素沈着が起きる可能性がある |
色素沈着が起きる可能性がある、 ニキビがある場合は悪化する可能性がある |
副作用 |
赤み、ほてり など |
赤み、腫れ、出血、内出血 など |
ピコレーザーやダーマペンの施術後は肌が敏感な状態となっているため、紫外線の影響を受けやすいほか、乾燥や摩擦による刺激で炎症を起こす可能性があります。色素沈着や炎症を防ぐには、紫外線対策とスキンケアを行うことが欠かせません。
また、ニキビがある肌にダーマペンの施術を行うと、悪化を招く可能性も考えられます。肌の状態を見て施術が可能かどうかを判断することが重要です。
なお、患者の肌質や治療状況などによっては、施術を行えない場合があります。事前にカウンセリングを実施して、患者一人ひとりに応じた治療法を検討する必要があります。
ピコレーザーの施術ができない人や戻りジミについては、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
④費用の目安
美容クリニックで行うピコレーザーやダーマペンは、1回当たりの施術にかかる費用が異なります。
▼1回当たりの施術にかかる費用の目安(顔全体の場合)
ピコレーザー |
ダーマペン |
2~5万円程度 |
2万円程度 |
治療を行う範囲や施術回数、使用する機器などによって費用は変動することから、患者に施術の選択肢を提案したうえで十分な説明を行っておく必要があります。
ピコレーザーとダーマペンは併用できるか
ピコレーザーとダーマペンを組み合わせて施術を行うことは基本的に可能です。
ピコレーザーで照射を行ったあとにダーマペンの施術を行うことで、患者の肌悩みに対して効率的にアプローチできます。
ただし、ピコレーザーの施術方法によっては同日にダーマペンの施術を行えない場合もあります。肌の状態や治療範囲に応じて施術の間隔を調整するとともに、経過を見ながら治療法の組み合わせを変えることが重要です。
まとめ
この記事では、ピコレーザーとダーマペンについて以下の内容を解説しました。
- ピコレーザーとダーマペンの仕組み
- ピコレーザーとダーマペンの違い
- ピコレーザーとダーマペンの併用について
熱による衝撃波によって肌の真皮層を刺激するピコレーザーは、シミやそばかすを含む幅広い肌悩みの治療に用いられます。
一方のダーマペンは、肌の表面から真皮層にかけて微細な穴を空けて、自然治癒力を引き出すことで肌の再生を活性化させます。そのため、肌の表面にあるニキビ跡や毛穴の開き、小じわなどの改善効果が期待できます。
ただし、どちらの施術においてもリスクや副作用があります。患者の肌や健康状態などを踏まえたうえで、一人ひとりに適した治療法を選択することが重要です。
サイノシュアーの『PICOSURE®』は、755nmアレキサンドライトの波長を搭載したピコレーザー機器です。皮膚への熱ダメージを抑えながらメラニンを的確にとらえて、シミをはじめとするさまざまな色素沈着にアプローチします。
詳しくは、こちらの資料をご確認ください。