ピコレーザーの施術後に化粧は許可してもよい? 目安となるタイミングやポイント
ピコレーザーは、肌のたるみやシミ、小じわ、ニキビ跡などの幅広い肌悩みにアプローチできる美容医療における治療法の一つです。
従来のフラクショナルレーザーと比較して肌内部のメラニンを細かく破壊できるため、代謝処理が早くダウンタイムを抑えやすいことが特徴です。ただし、施術後の肌は敏感な状態となっており、刺激を与えると炎症につながる可能性があります。
美容クリニックの担当者のなかには、「ピコレーザーの施術後に化粧を許可してもよいのか」「患者に対して共有しておく事項はあるか」など気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ピコレーザーの施術後に化粧を許可してもよいタイミングや化粧について患者へ案内するポイントについて解説します。
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ピコレーザーの施術後に化粧を許可してもよいタイミング
ピコレーザーの施術後は、基本的に当日から化粧を行えます。
従来のレーザー治療では、照射した部分に保護テープを貼って一定期間を過ごすことが一般的とされていました。ピコレーザーの場合、以下の特徴によって患部へのダメージを抑えられるため、照射後の保護テープは不要とされています。
▼ピコレーザーの特徴
- 1兆分の1秒という極短時間の照射によって熱ダメージを抑えられる
- ナノ秒以下のレーザーと比べて皮膚内部のメラニン色素を細かく破壊して、施術時間を短縮できる
ただし、ピコレーザーによるダメージの程度や副作用については、患者によって個人差があります。化粧の許可については、肌の状態を確認したうえで医師が判断することが必要です。
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ピコレーザー施術後の化粧に関して案内するポイント
ピコレーザーによる治療のダウンタイムは、数日~2週間程度(※)が目安とされています。照射した直後は肌が敏感になっているため、化粧をする際は刺激を与えないように注意が必要です。
※ダウンタイムの日数には個人差があります。詳しくは美容クリニックやメーカーなどにお問い合わせください。
①肌をこすらないようにする
化粧下地やファンデーションを塗る際は、肌をこすらないようにします。
肌を強くこすると、摩擦によって刺激を与えてしまう可能性があります。化粧をするときだけでなく化粧水や乳液をつけたり、クレンジングをしたりする際には、やさしく丁寧に触れることがポイントです。
▼肌への摩擦を防ぐポイント
- 化粧下地やファンデーション、化粧水などは、手にひらになじませてから顔につける
- スポンジやコットンでこすらず、指の腹を使う
- かさぶたがある場合には、無理に剥がさないようにする など
かさぶたを無理に剥がすと、肌の炎症や色素沈着を起こすリスクがあるため、自然に剥がれるのを待つことが重要です。
②肌への刺激の少ない化粧品を使用する
ピコレーザーの施術後に化粧をする場合には、肌への刺激の少ない化粧品を使用することが望ましいといえます。
化粧品のなかには、肌への刺激につながる可能性のある成分が含まれているものがあります。肌トラブルを防ぐには、ピコレーザーを照射してから数日間は低刺激かつ保湿成分が含まれた化粧品を使用して、刺激の強い成分が含まれた化粧品を避けることがポイントです。
▼化粧品に含まれる代表的な成分
選び方 |
代表的な成分 |
保湿成分 |
ヒアルロン酸、セラミド、アミノ酸 など |
刺激が強い成分 |
パラベン、アルコール、合成香料、合成着色料、石油系界面活性剤、 鉱物油 など |
③紫外線対策を併せて行う
ピコレーザーの施術後は、患部の紫外線対策を行うことが重要です。
皮膚には紫外線から身を守るためのメラニン色素が備わっていますが、たくさんの日光を浴びすぎるとシミやしわの原因となってしまいます。
▼紫外線による人体への影響
画像引用元:環境庁『紫外線環境保健マニュアル2020』
特にレーザーを照射した直後は肌が敏感になっており日焼けによるダメージを受けやすいため、化粧の際に紫外線対策も併せて行う必要があります。
▼紫外線対策を行うポイント
- 日焼け止めクリームを塗布する
- 日焼け止めの成分が含まれた化粧品を使用する
- 屋外で過ごす際には日傘や帽子を使用する など
出典:環境庁『紫外線環境保健マニュアル2020』
ピコレーザーの施術前後は患者のスキンケアが大切
ピコレーザーは肌へのダメージを抑えやすい施術方法ですが、患者によっては肌トラブルが起きる可能性があります。安心して施術を受けてもらうには、患者のスキンケアを行うことが大切です。
美容クリニックにおいてピコレーザーの施術前後で行うスキンケアの方法には、内服薬と外用薬の処方が挙げられます。
▼ピコレーザー施術前後に処方する内服薬と外用薬の具体例
方法 |
具体例 |
内服薬 |
トラネキサム酸、ビタミンC、ビタミンE、ハイチオール など |
外用薬 |
ハイドロキノン、トレチノイン など |
施術前には、肌のコンディションを整えるために内服薬を処方する場合があります。施術後に処方する内服薬や外用薬は、メラニンの生成を抑えて肌のターンオーバーを促すことで照射後の色素沈着を防ぐ目的があります。
まとめ
この記事では、ピコレーザーの施術後に行う化粧について以下の内容を解説しました。
- ピコレーザーの施術後に化粧を許可してもよいタイミング
- 化粧について患者へ案内する際のポイント
- ピコレーザーの施術後に行うスキンケア
ピコレーザーの施術後に行う化粧については、基本的に当日から許可することが可能です。ただし、肌のダメージや副作用は患者によって個人差があるため、医師が肌の状態を確認したうえで化粧の可否について判断する必要があります。
化粧について許可する場合には、肌に刺激を与えないように注意するとともに、紫外線対策を併せて行うことを伝えるのがポイントです。また、ピコレーザーの施術前後では、内服薬や外用薬を処方して患者のスキンケアを行うことも重要です。
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