ピコレーザーで肌のたるみにアプローチ! 治療の仕組みや施術方法とは
美容医療におけるレーザー治療は、さまざまな肌悩みへのアプローチに用いられており、そのうちの一つに“肌のたるみ”が挙げられます。
新たなレーザー治療法として取り入れられているピコレーザーは、従来のレーザー治療と比較して肌への負担を抑えながら内側へと働きかけられることから、たるみの改善効果が期待されています。
美容クリニックの担当者のなかには「ピコレーザーによるたるみ治療はどのような仕組みなのか」「どのような施術方法があるのか」などと気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、肌のたるみが引き起こされる原因やピコレーザーによる治療の仕組み、施術方法、注意点について解説します。
目次[非表示]
- 1.肌のたるみが引き起こされる原因とは
- 1.1.原因①ハリや弾力成分の減少
- 1.2.原因②皮下脂肪の増減
- 2.ピコレーザーによるたるみ治療の仕組み
- 3.ピコレーザーで肌のたるみ治療を行う際の注意点
- 4.まとめ
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肌のたるみが引き起こされる原因とは
肌のたるみとは、顔表面の皮膚が重力によって下方に垂れ下がり、小じわやほうれい線、二重あごなどが目立ちやすくなった状態を指します。肌のたるみが引き起こされる原因には、主に以下が挙げられます。
原因①ハリや弾力成分の減少
肌のハリや弾力の元となる真皮層にある成分が減少することで、たるみが引き起こされます。肌のハリや潤いを保つ成分には、主に以下があります。
▼肌の真皮層を構成する成分の働き
成分 |
働き |
コラーゲン |
肌にハリを与える |
エラスチン |
肌に弾力を与える |
ヒアルロン酸 |
肌に潤いを与える |
加齢により肌の老化が進行すると、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸の生成量が減少するほか、これらの肌細胞をつくりだすサイクルのスピードが遅くなってしまいます。
また、紫外線を浴びると肌への負担となり、長年蓄積するとしわやシミを引き起こす“光老化”を招きます。そのほか、肌が乾燥することで保水成分が失われて、たるみが引き起こされる場合もあります。
出典:環境省『紫外線環境保健マニュアル2020』
原因②皮下脂肪の増減
顔の皮下脂肪が増加して、表情筋や皮膚が支えきれなくなることが原因で肌のたるみにつながる場合もあります。
▼皮下脂肪が原因でたるみが引き起こされるケース
- 不規則な生活習慣や食生活によって皮下脂肪が増える
- 体重の減少によってこれまで皮下脂肪がついていた部分に脂肪がなくなり、皮膚がゆるむ など
また、皮膚を支える表情筋は加齢とともに衰えやすくなるため、重力に負けて肌のたるみが引き起こされる場合もあります。
ピコレーザーによるたるみ治療の仕組み
ピコレーザーを使用したたるみ治療は、レーザー照射の光による衝撃波で肌の真皮層を刺激する施術方法です。コラーゲンやエラスチンなどのハリ・弾力成分の生成を促すことで、肌の再生能力を高める効果(※)が期待できます。
従来のレーザー治療と比較して、ピコレーザーは高エネルギーかつ1兆分の1秒という短い照射時間のため、ダウンタイムを抑えやすいといわれています。
肌のたるみを対象としたピコレーザーの施術方法には、ピコフラクショナルとピコトーニングの2つが挙げられます。
※個人差があります。詳しくは美容クリニックやメーカーなどにお問い合わせください。
ピコフラクショナル
ピコフラクショナルとは、細かな点状に集中させたピコレーザーを照射することで肌の表皮に微小な空洞をつくり、真皮層に衝撃波の刺激を与える施術方法です。
肌のたるみに加えて、さまざまな肌悩みにアプローチできます。
▼ピコフラクショナルの主な治療対象
- 肌のたるみ
- 小じわ
- ニキビ跡の凹凸
- 毛穴の開き など
真皮層に刺激を与えることで、肌のターンオーバーを促します。また、従来のフラクショナルレーザーと比較して、痛みが少なく、ダウンタイムも短くなったことが特徴です。
ピコトーニング
ピコトーニングとは、ピコレーザーの衝撃波によって皮膚内部のメラニンを粉砕して表皮のターンオーバーを促す施術方法です。
▼ピコトーニングの主な治療対象
- 薄いシミ
- くすみ
- カラータトゥーの除去 など
たるみ治療については主目的ではないものの、肌の真皮層にピコレーザーの衝撃波が届くことでコラーゲン・エラスチンの生成が促進されて、ハリ・弾力の改善につながる効果が期待できます。
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ピコレーザーで肌のたるみ治療を行う際の注意点
ピコレーザーで肌のたるみ治療を行う際は、患者の肌質や健康状態を踏まえて施術するとともに、肌トラブルを避けるために施術後のケアを行うことが重要です。(※)
※個人差があります。詳しくは美容クリニックやメーカーなどにお問い合わせください。
①肌質や健康状態によっては施術できない場合がある
患者の肌質や健康状態によっては、ピコレーザーの施術ができない場合があります。
▼ピコレーザーの施術を受けられない主なケース
- 照射箇所に傷やヘルペスがある場合
- 妊娠中・授乳中の場合
- てんかん発作の既往歴がある場合
- 光過敏症の場合
- 日焼けをしている、する予定がある場合
- 心臓のペースメーカーを使用している場合
- 鉄剤・金製剤・血管拡張剤を服用している場合
- 発熱している場合
- 慢性疾患がある場合 など
事前に肌の状態を診察するとともに、カウンセリングによって既往歴や健康状態について確認しておくことが重要です。また、施術に伴うリスクや副作用、ほかの施術方法の選択肢などを十分に説明しておく必要があります。
ピコレーザーによる治療ができない人については、こちらの記事で解説しています。
②施術後にはスキンケアを実施する
ピコレーザーの施術後には、スキンケアを行うことが重要です。
施術後の患部は肌のバリア機能が低下して敏感なため、紫外線の影響を受けやすくなったり、乾燥しやすくなったりします。また、肌に赤み・ほてりが出ている状態で紫外線や摩擦によって刺激を与えると炎症を起こす可能性があります。
安心して治療を受けてもらい肌トラブルを防ぐために、施術後における肌の状態や経過、正しいスキンケアの方法について患者に説明しておくことが大切です。
▼スキンケアの方法
- 洗顔・クレンジング時にはやさしくこすらないようにする
- 保湿クリームを使用する
- 低刺激のスキンケア商品を使用する など
なお、ピコレーザーの施術前後に行うケアについては、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
まとめ
この記事では、ピコレーザーによる肌のたるみ治療について、以下の内容を解説しました。
- 肌のたるみが引き起こされる原因
- ピコレーザーによるたるみ治療の施術方法
- ピコレーザーで肌のたるみ治療を行う際の注意点
肌のたるみは、加齢や紫外線の影響によるハリ・弾力成分の減少、皮下脂肪の増減などによって引き起こされます。ピコレーザーによる治療を行うことで、コラーゲンやエラスチンなどのハリ・弾力成分の生成を促して、肌の生成力を高める効果が期待できます。
ただし、患者の肌質や健康状態などによってはピコレーザーの施術ができない場合があるほか、赤み・ほてりなどの炎症が起きる可能性があります。事前に問診・診察によって施術の可否を確認するとともに、施術のリスクやスキンケアの方法について伝えておくことが大切です。
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