光治療(IPL)とレーザー治療の違い。患者に合った施術方法を選ぶには
美容医療機器を使ってさまざまな肌悩みにアプローチする施術方法に、光治療(IPL)とレーザー治療があります。光治療とレーザー治療では、それぞれターゲットにアプローチする仕組みや施術対象、ダウンタイムなどに違いがあります。
美容クリニックでは、患者に対して施術方法の違いを分かりやすく説明したうえで、肌悩みや希望に合った施術方法を選ぶことが重要です。
この記事では、光治療とレーザー治療の違いや患者に合った施術方法の選び方について解説します。
なお、光治療の特長についてはこちらの記事をご確認ください。
サイノシュアーの光治療機器『ICON™』については、こちらの資料をご確認ください。
目次[非表示]
- 1.光治療とレーザー治療の違い
- 1.1.➀波長
- 1.2.②パルス幅(照射時間)
- 1.3.③主な施術対象
- 1.4.④施術回数
- 1.5.⑤ダウンタイム
- 2.患者の肌悩みや希望に合わせて選ぶことが重要
- 2.1.光治療をおすすめしたい方
- 2.2.レーザー治療をおすすめしたい方
- 3.まとめ
光治療とレーザー治療の違い
光治療とレーザー治療は、肌悩みへアプローチする仕組みが異なります。
▼光治療とレーザー治療の仕組み
施術方法 |
仕組み |
光治療 |
複数の波長を持つ特殊な光を肌の広範囲に照射してメラニンを破壊する |
レーザー治療 |
特定の波長を持つレーザーをターゲットへ集中的に照射してメラニンを破壊する |
光とレーザーは、波長やパルス幅(照射時間)が異なることから、施術対象・施術回数・ダウンタイムなどにも違いがあります。
➀波長
波長とは、電磁波による波の長さを指します。光治療では、波長が異なる複数の波長が放出されるのに対して、レーザー治療では単一の波長が放出されます。
▼波長の違い
光治療 |
レーザー治療 |
520~1100nm |
532nm・755nm・1064nm |
波長が長くなるほど、皮膚の深層部に働きかけることが可能です。光治療には波長に幅があるため、幅広い肌悩みに対応できます。一方のレーザー治療は、使用する波長によって特定のターゲットに働きかけられます。
②パルス幅(照射時間)
パルス幅は、光やレーザーを照射する時間を指します。パルス幅の違いによってターゲットに対する作用が異なります。
▼パルス幅の違い
光治療 |
レーザー治療 |
|
パルス幅 |
長い |
短い |
作用 |
皮膚の浅い範囲に広く作用する |
皮膚の深い場所にピンポイントで作用する |
光治療はパルス幅が長いため、照射した部分の周辺組織に光の影響が広がりやすく、皮膚の浅い範囲に広くアプローチすることが可能です。
一方のレーザー治療は、パルス幅が短くターゲットを狙ってアプローチできるため、光治療よりもパワーが強くなり、皮膚の奥深くまで作用が到達します。
なお、レーザー治療のパルス幅は、ナノ秒(10億分の1秒)やピコ秒(1兆分の1秒)が代表的です。
③主な施術対象
光とレーザーでは、肌に照射した際に到達する深さが異なるため、効果が期待できる施術対象にも違いがあります。
▼主な施術対象
光治療 |
レーザー治療 |
|
到達する深さ |
表皮・真皮 |
表皮・真皮・皮下組織 |
施術対象 |
薄いシミ、小じわ、くすみ、赤み など |
濃いシミ、ほくろ、あざ など |
光治療は、皮膚の浅い層にある幅広い肌悩みに対してマイルドに働きかけることが可能です。これに対してレーザー治療は、皮膚の深層部へ強いエネルギーで働きかけるため、濃いシミやほくろなどの除去にも対応できます。
④施術回数
効果を実感できる施術回数は個人差がありますが、一般的にレーザー治療のほうが少ない施術回数で肌悩みの改善が期待できます。
▼一般的な施術回数
光治療 |
レーザー治療 |
4~5回程度 |
1~数回 |
光治療は、3~4週間に1回程度のペースで定期的に施術を繰り返すことによって、徐々にシミの除去やトーンアップなどの効果が期待できます。レーザー治療の場合には、基本的に1回の施術でシミやほくろの除去を行えます。
⑤ダウンタイム
ダウンタイムは、パルス幅が長く穏やかなアプローチを行う光治療のほうが抑えやすくなります。
▼一般的なダウンタイム(※)
光治療 |
レーザー治療 |
ほぼ無し |
1~2週間程度 |
光治療では、施術から1週間程度で薄いかさぶたができることがありますが、基本的に保護テープは必要なく、すぐにメイクを行えます。
レーザー治療の場合は、患部にかさぶたができて自然に剥がれるまで1~2週間程度かかることが一般的です。患部の状態に応じて、保護テープを使用することもあります。
なお、レーザー治療の一種となる“ピコレーザー”は、ナノレーザーと比べて肌へのダメージを抑えられるため、ダウンタイムも短くなりやすいといえます。
ピコレーザーと従来のレーザーとの違いについては、こちらの記事をご確認ください。
※個人差があります。
患者の肌悩みや希望に合わせて選ぶことが重要
美容クリニックでは、患者の肌悩みや希望を踏まえたうえで、光治療とレーザー治療のどちらが適しているか判断することが重要です。
光治療をおすすめしたい方
光治療が向いている患者には、以下が挙げられます。
▼光治療をおすすめしたい方
- 広範囲に薄いシミがある
- 肌質の改善も希望している
- 刺激に敏感
- 治療後すぐにメイクが必要 など
光治療は、皮膚の表層にある薄いシミのほか、小じわやハリ、くすみなどの肌質改善を図りたい方におすすめです。
レーザー治療と比べて威力が穏やかなため、施術中の痛みに不安がある方や、ダウンタイムを抑えたい方にも適しているといえます。
レーザー治療をおすすめしたい方
以下のような患者には、レーザー治療が向いているといえます。
▼レーザー治療をおすすめしたい方
- 濃いシミを除去したい
- 施術回数を少なくしたい
- ダウンタイムを取れる など
レーザー治療は、肌の深層部にある濃いシミの除去が期待できるため、光治療では除去しきれなかったシミにも対応できる可能性があります。
また、ピンポイントで威力の強いレーザーを照射して効率的にターゲットへのアプローチができることから、施術回数を少なく抑えたい方にも適しているといえます。
なお、シミ治療に用いられるレーザー機器の種類についてはこちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
まとめ
この記事では、光治療とレーザー治療について以下の内容を解説しました。
- 光治療とレーザー治療の違い
- 患者に合わせた施術方法の選び方
光治療とレーザー治療では、波長の範囲やパルス幅、主な施術対象・回数、ダウンタイムなどに違いがあります。美容クリニックでは、患者の肌悩みやダウンタイムの希望などをヒアリングしたうえで、一人ひとりに合った施術方法を提案することが重要です。
サイノシュアーは、治療目的によってハンドピースを選択できる『ICON™』をリリースしております。高性能な冷却と独自のパルス発振方式により、冷却ジェルを用いない施術が可能です。
詳しくは、こちらの資料をご確認ください。
なお、レーザー治療で用いられる最新の機器に“ピコレーザー”があります。ナノレーザーと比べてパルス幅が短いため、熱によるダメージを抑えながら、肌悩みに効率的にアプローチすることが可能です。
サイノシュアーの『PICOSURE®』は、世界初のアレキサンドライトによる波長を搭載したピコレーザー機器です。短い照射秒数で瞬間的にレーザーを照射することで、メラニン色素を的確に捉えます。詳しくは、こちらの資料をご確認ください。