ピコレーザー施術後の一般的な経過について。術後のケアとして実施する処置とは
ピコレーザーとは、ピコ秒(1兆分の1秒)という極めて短い照射時間でレーザーを照射してメラニン色素を粉砕することにより、肌悩みの改善を図る美容医療の施術方法です。
従来のナノレーザーと比較して熱による肌ダメージを抑えられるほか、ターゲットへの的確なアプローチでメラニンの代謝処理を早められることから、「ダウンタイムをできるだけ抑えたい」という患者から注目を浴びています。
しかし、患者のなかには「施術後に肌の状態はどうなるのか」「何日くらいで肌が落ち着くのか」など経過について不安や疑問を持つ方もいると考えられます。
美容クリニックの院長や従業員は、ピコレーザー施術後の経過について丁寧な説明を行い、安心して施術を受けられるようにすることが大切です。
この記事では、ピコレーザーの施術を行ったあとの経過や施術後に実施する処置について解説します。
目次[非表示]
- 1.ピコレーザー施術後の経過
- 2.患部に色素沈着が見られた場合の対応
- 3.ピコレーザーの施術後に実施する処置
- 3.1.①保護テープの使用
- 3.2.②内服薬・外用薬によるアフターケア
- 3.3.③経過観察を踏まえた施術内容の検討
- 4.まとめ
ピコレーザー施術後の経過
ピコレーザーの施術後は、赤みや軽い腫れなどが生じることがあります。照射の出力や肌質などによって個人差はあるものの、数日~1週間程度で肌の炎症が落ち着くことが一般的です。
どのような肌悩みに対してアプローチするかによって経過は変わりますが、シミ取りの場合にはかさぶたが自然にとれるまで1~2週間程度かかるケースもあります。
▼ピコレーザーでシミ取りの施術を行ったあとの経過(※)
経過 |
肌の状態 |
施術直後 |
患部に赤みや腫れが生じる |
施術後1~3日 |
赤みや腫れが落ち着き、薄いかさぶたができ始める |
施術後1~2週間 |
徐々にかさぶたが剥がれる |
かさぶたが剥がれた部分は、新しい皮膚が表面に現れることから周囲の肌と比べて色が薄くなったように見える場合があります。1ヶ月ほど経過すると、徐々に患部が周囲の肌となじんできます。
また、薄いシミやたるみ、しわ、ニキビ跡などに対してアプローチする場合には、ピコレーザーを低出力で照射することがあります。出力を低く設定すると患部にかさぶたができず、数日で肌が落ち着くケースも見られます。
なお、施術方法別のダウンタイムについてはこちらの記事で解説しています。
※個人差があります。詳しくはメーカーへお問い合わせください。
患部に色素沈着が見られた場合の対応
ピコレーザーの施術によってかさぶたが剥がれたあと、新しい皮膚がなじんでくる時期になると、薄いシミのような色素沈着が見られる場合があります。これは“戻りジミ”ともいわれており、主に以下の原因が考えられます。
▼患部に色素沈着が現れる原因
- 紫外線を浴びることによるメラニン色素の生成
- 摩擦や刺激による肌の炎症
- かさぶたを無理やり剥がすことによる肌の炎症 など
ピコレーザーの施術による色素沈着は、通常であれば時間の経過とともに徐々に薄くなり自然と消失します。ただし、患者によっては色素沈着がなかなか消えない場合もあります。
期間が経過しても色素沈着が消失しない場合には、肌の状態を踏まえて再度ピコレーザーによる除去を検討します。
なお、戻りジミについてはこちらの記事をご確認ください。
ピコレーザーの施術後に実施する処置
ピコレーザーによる炎症や色素沈着を防ぐには、肌を刺激から守り、ターンオーバーを促すための処置が必要になります。
①保護テープの使用
ピコレーザーで照射した箇所に赤みや腫れなどが見られる場合には、肌の状態に応じて保護テープの使用を検討します。
患部に保護テープを貼ることによって、摩擦や紫外線による肌へのダメージを防げます。肌の状態や施術内容を踏まえて保護テープが必要かを判断することが重要です。また、保護テープを貼る期間は施術直後から1週間程度が目安となります。
②内服薬・外用薬によるアフターケア
肌の炎症を抑えてターンオーバーを促すことを目的に、施術後に内服薬・外用薬を処方してアフターケアを行います。美容クリニックで処方する一般的な内服薬・外用薬には、以下が挙げられます。
▼ピコレーザーの施術後に処方する内服薬・外用薬
区分 |
種類 |
効能 |
内服薬 |
トラネキサム酸 |
肌の炎症を抑える |
ビタミンC |
メラニン色素の生成を抑制する、コラーゲンの生成を助ける |
|
ビタミンE |
肌のターンオーバーを活性化する |
|
外用薬 |
ハイドロキノン |
メラニン色素の生成を抑制する |
トレチノイン |
肌のターンオーバーを活性化する |
③経過観察を踏まえた施術内容の検討
患者の肌悩みによっては、ピコレーザーで複数回の照射を行うケースがあります。施術後の経過観察を行い、ピコレーザーによる効果と肌の状態を踏まえて今後の施術内容を検討することが重要です。
施術方法と目安となる施術間隔・回数は以下のとおりです。
▼ピコレーザーの施術間隔・回数の目安
施術間隔 |
施術回数 |
|
ピコスポット |
3ヶ月に一度 |
1~3回 |
ピコトーニング |
2~4週間に一度 |
5~10回 |
ピコフラクショナル |
2~4週間に一度 |
6~10回 |
ピコレーザーで効果を実感するまでの回数は、患者によって個人差があります。肌への負担を考慮して施術間隔・回数、照射方法などを検討することが必要です。
なお、ピコレーザーの施術についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
まとめ
この記事では、ピコレーザーの経過について以下の内容を解説しました。
- ピコレーザーの施術を行ったあとの経過
- 患部に色素沈着が見られた場合の対応
- ピコレーザーの施術後に実施する処置
ピコレーザーの施術後は、患部に赤みや腫れが生じることがあり、数日~1週間程度で落ち着くことが一般的です。また、濃いシミの除去で高出力のレーザーを照射する場合には、施術後2~3日にかさぶたができる場合もあります。かさぶたは1~2週間程度で自然に剥がれます。
ただし、患部への強い刺激や紫外線などによって色素沈着が起きる可能性があるため、施術後には肌を守るためのケアが欠かせません。経過観察を行い、保護テープの使用や内服薬・外用薬の処方、今後の施術内容などを検討することが重要です。
サイノシュアーの『PICOSURE®』は、世界初のアレキサンドライトを搭載したピコレーザーです。短い照射秒数で瞬間的に光熱レーザーを照射することで、皮膚へのダメージを抑えながら肌悩みへ的確にアプローチできます。
詳しくは、こちらの資料をご確認ください。