美容医療用の代表的なレーザーは5種類! 肌へのダメージを抑えられる最新の施術方法【2024年版】
美容医療では、さまざまな肌悩みの改善やタトゥーの除去などを目的にレーザーによる施術が行われています。
レーザーの種類によってアプローチの原理や波長帯が異なるため、患者の肌悩み・肌質などを踏まえて種類を選択することが重要です。
美容クリニックの院長や従業員のなかには「患者に合った施術の選択肢を提案できるようにしたい」「レーザーによる肌への負担を抑えられる方法はないか探している」という方もいるのではないでしょうか。
この記事では、美容医療で用いられる代表的なレーザーの種類と肌へのダメージを抑えられる最新の施術方法について解説します。
目次[非表示]
- 1.美容医療用の代表的なレーザー
- 1.1.➀Qスイッチ・ヤグ(YAG)レーザー
- 1.2.②炭酸ガスレーザー
- 1.3.③アレキサンドライトレーザー
- 1.4.④ダイオードレーザー
- 1.5.⑤ピコレーザー
- 2.ピコレーザーは肌へのダメージを抑えやすい最新の施術方法
- 3.まとめ
美容医療用の代表的なレーザー
美容医療で用いられるレーザーには、主に5つの種類があります。
➀Qスイッチ・ヤグ(YAG)レーザー
Qスイッチレーザーは、1発の照射時間がナノ秒(10億分の1秒)のレーザーを照射してメラニン色素にアプローチする施術方法です。
照射したレーザーの光がターゲットに吸収される際に発する熱エネルギーによって、メラニン色素を破壊する仕組みとなります。
また、Qスイッチレーザーには光の波長が異なる3つのタイプがあります。照射するターゲットの色に応じて異なる波長帯を使い分けることによって幅広い肌悩みへアプローチできます。
▼Qスイッチレーザーの種類
種類 |
波長 |
Qスイッチ・ヤグ(YAG)レーザー |
532nm・1064nm |
Qスイッチ・ルビーレーザー |
694nm |
Qスイッチレーザーの主な施術対象には、以下が挙げられます。
▼Qスイッチレーザーの主な施術対象
- シミ
- ほくろ(盛り上がりがないもの)
- そばかす
- 茶色・青色・黒色のあざ
- 赤みのあるニキビ跡 など
②炭酸ガスレーザー
炭酸ガスレーザーは、波長が10600nmの遠赤外線で皮膚の水分に反応するレーザーを照射して、ターゲットとなる組織を取り除く施術方法です。
皮膚の細胞に含まれる水分がレーザーを吸収して、熱エネルギーの発生とともに蒸発する炭酸ガスの作用によって組織を除去する仕組みとなります。
レーザーによる蒸発作用は皮膚の表面にのみ生じるため、メスで取り除く場合と比較して肌へのダメージを抑えられ、早期の創傷治癒が期待できます。
▼炭酸ガスレーザーの主な施術対象
- ほくろ
- イボ
- 盛り上がりがあるシミ など
③アレキサンドライトレーザー
アレキサンドライトレーザーは、755nmの波長によるレーザーによって皮膚のメラニン色素にアプローチする施術方法です。
レーザーで照射した光が吸収されて熱エネルギーへと変換する作用によってメラニン色素を破壊する仕組みです。Qスイッチ・ルビーレーザーよりも波長が大きいため、皮膚の真皮層や毛包といった深層部までレーザーが届きやすくなります。
▼アレキサンドライトレーザーの主な施術対象
- しみ
- そばかす
- タトゥー・アートメイク除去
- 脱毛 など
④ダイオードレーザー
ダイオードレーザーは、800~940nmの波長によるレーザーを照射してメラニン色素や毛を生やす細胞にアプローチする施術方法です。
アレキサンドライトレーザーとQスイッチ・ヤグ(YAG)レーザーの中間にある波長帯となるため、皮膚の表皮から皮下組織にある毛根部分まで幅広いターゲットへアプローチできます。
▼ダイオードレーザーの主な施術対象
- ほくろ
- シミ
- 凹凸のあるニキビ跡
- 脱毛 など
⑤ピコレーザー
ピコレーザーは、ピコ秒(1兆分の1秒)という極めて短い照射時間のレーザーを照射して皮膚のメラニン色素にアプローチする施術方法です。
照射時間を短くすることでターゲットが急速な熱膨張を起こして、強力な衝撃波が生じます。この衝撃波によってメラニン色素を細かく粉砕することが可能です。
また、ピコレーザーでは532nm・755nm・1064nmの3種類の波長帯を選択して肌の表層から真皮層まで幅広いターゲットにアプローチを行えます。肌の真皮層を刺激する照射を行うと、肌の再生を促して肌質の改善を図ることも期待できます。
▼ピコレーザーの主な施術対象
- シミ
- あざ
- そばかす
- ほくろ(盛り上がりがないもの)
- 色素沈着
- タトゥー・アートメイク除去
- たるみ
- 凹凸のあるニキビ跡 など
ピコレーザーの施術方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
ピコレーザーは肌へのダメージを抑えやすい最新の施術方法
ピコレーザーは、肌へのダメージを抑えつつ幅広い肌悩みに対応できる美容医療用のレーザーとして新たに注目されています。照射秒数がナノ秒以下のレーザーと比較して、主に3つの特徴があります。
▼ピコレーザーの特徴
- メラニン色素の粒子を細かく粉砕できる
- 熱による影響が周辺組織に広がりにくい
- 複数の色味に反応しやすい
ピコレーザーは、1兆分の1秒というごく短時間の照射でメラニン色素を細かく粉砕できるため、ナノ秒以下のレーザーと比べて代謝処理が早くなります。
照射する際にターゲット内に熱を閉じ込めることによって周辺組織への影響が起こりにくくなり、熱による肌へのダメージを最小限に抑えられます。
また、従来のレーザーでは反応しにくいとされていた赤色・オレンジ色・青色などの色にも反応しやすく、タトゥー・アートメイクの除去にも有効です。
ピコレーザーとヤグ(YAG)レーザーの違いについてはこちらの記事をご確認ください。
まとめ
この記事では、美容医療用のレーザーについて以下の内容を解説しました。
- 美容医療用の代表的なレーザー
- 肌へのダメージを抑えやすいピコレーザーについて
美容医療に用いられるレーザーは大きく5つの種類があり、アプローチの原理や波長帯が異なります。
なかでもピコレーザーは、1発のレーザーを当てる際の照射時間を短くできるため、周辺組織まで熱の影響が広がりにくく、ナノ秒以下のレーザーよりも肌へのダメージを抑えられます。
美容医療用のレーザーによる施術を希望する患者には、種類ごとの特徴を分かりやすく説明したうえで、肌悩みに合った施術方法を検討することが重要です。
サイノシュアーの『PICOSURE®』は、世界初のアレキサンドライトによる波長を搭載したピコレーザー機器です。755nmのレーザー光をピコ秒単位で照射することで、皮膚への熱ダメージを抑えながらメラニンを的確に捉えられます。
詳しくは、こちらの資料をご確認ください。