ピコレーザーでシミは除去できる? 治療対象となるシミの種類とは
よくある肌悩みの一つに、シミがあります。シミとは、皮膚内でメラニン色素が沈着して部分的に茶色や褐色となった状態です。
美容医療においてはレーザー照射によってシミの除去を行う施術があり、その手法の一つに“ピコレーザー”が挙げられます。
美容クリニックの担当者は、患者の肌悩みに合わせた施術方法を提案するために、ピコレーザーでシミを除去する方法や処置の対象となるシミの種類について、改めて理解を深めておくことが重要です。
この記事では、ピコレーザーによるシミ治療の特徴やシミの除去方法、処置が可能なシミの種類について解説します。
出典:厚生労働省『厚生労働科学研究補助金(地域医療基盤開発推進研究事業)令和3年度分担研究報告書』
目次[非表示]
- 1.ピコレーザーによるシミ治療の特徴
- 2.ピコレーザーを用いたシミの除去方法
- 3.ピコレーザーで処置が可能なシミの種類
- 3.1.➀老人性色素斑
- 3.2.②炎症後色素沈着
- 3.3.③そばかす
- 3.4.④後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)
- 4.まとめ
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ピコレーザーによるシミ治療の特徴
ピコレーザーによるシミ治療は、従来のレーザー治療と比較して以下の特徴があります。
▼シミ治療におけるピコレーザーの特徴
- 肌へのダメージを抑えられる
- ダウンタイムが短くなりやすい
- 施術回数を少なくできる など
従来のレーザー治療では、10億分の1秒(ナノ秒)で照射を行うのに対して、ピコレーザーでは1兆分の1秒(ピコ秒)という極めて短い時間で照射を行います。ピコレーザーのほうが肌の周辺組織に熱による影響が起こりにくい(※1)ことから、肌へのダメージを抑えやすくなります。
また、熱ではなく光音響作用(※2)による衝撃波によってアプローチを行うため、ナノ秒のレーザーよりもメラニンの粒子を細かく粉砕することが可能です。
▼ピコレーザーと従来のレーザーによるメラニンへのアプローチ
メラニンを細かく粉砕することにより肌のターンオーバーが早くなり、赤みや腫れなどが落ち着くまでのダウンタイムが短くなるほか、少ない回数での施術につながります。
なお、ピコレーザーとヤグレーザーの違いについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
ピコレーザーによる施術回数の一般的な目安については、こちらの記事をご覧ください。
※1…個人差があります。詳しくはメーカーにお問い合わせください。
※2…レーザー照射によって組織が熱膨張を起こして衝撃波を発生させる現象
出典:厚生労働省『厚生労働科学研究補助金(地域医療基盤開発推進研究事業)令和3年度分担研究報告書』
ピコレーザーを用いたシミの除去方法
ピコレーザーを用いたシミの除去方法には、主にピコスポットとピコトーニングがあります。
▼シミ除去に効果が期待できる施術
施術方法 |
概要 |
ピコスポット |
シミにピンポイントでピコレーザーを照射して、衝撃波によってメラニンを破壊することでシミの改善を図る |
ピコトーニング |
低出力のピコレーザーを顔全体に照射して、シミの原因となるメラニンを少しずつ減少させることでシミの改善を図る |
ピコスポットではシミに対してピンポイントでアプローチできるため、濃いシミの除去に用いられます(※)。一方のピコトーニングは、薄いシミに対する施術として用いられる(※)ことが一般的です。
※施術方法の選択方針は医院・クリニックによって異なります。
ピコレーザーで処置が可能なシミの種類
シミには種類があり、出現する原因や肌に現れる状態などに違いがあります。ピコレーザーによる処置の対象となるシミの種類には、主に以下の4つが挙げられます。
➀老人性色素斑
老人性色素斑とは、紫外線や加齢が原因で発生するとされるシミのことです。
色や形はさまざまですが、円形に近い茶褐色のものがよく見られます。顔だけでなく、身体のほかの部位に生じるケースもあります。
老人性色素斑の除去には、シミの範囲や色の濃さなどに応じてピコスポットとピコトーニングを使い分ける(※)ことが一般的です。
※施術方法の選択方針は医院・クリニックによって異なります。
②炎症後色素沈着
炎症後色素沈着とは、皮膚の炎症によって発生するシミのことです。
ケガやニキビ、強い摩擦などさまざまな原因によって色素沈着が生じて、シミとして肌に残ってしまうケースがあります。また、レーザー治療後に一時的に発生する“戻りジミ”も、炎症後色素沈着の一種です。
炎症後色素沈着の除去には、ターゲットにピンポイントで照射するピコトーニングが用いられます(※)。
なお、ピコレーザーによる戻りジミへの処置については、こちらの記事で詳しく解説しています。
※施術方法の選択方針は医院・クリニックによって異なります。
③そばかす
そばかすとは、目の下から頬骨にかけて発生する薄くて小さな茶褐色をした斑点状のシミです。一般的に紫外線の影響や遺伝的な要因によってできると考えられています。
そばかすの除去には、色や範囲などに応じてピコスポットとピコトーニングの両方が用いられる場合があります(※)。
※施術方法の選択方針は医院・クリニックによって異なります。
④後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)
後天性真皮メラノサイトーシス(以下、ADM)とは、頬骨のあたりに左右対称で発生する小さなシミの集まりのことです。
ほかのシミが肌の表面にできるのに対して、ADMは真皮層に発生することから、シミでなくアザと呼ばれることもあります。ADMが生じる原因は明確には分かっていません。
ADMの除去には、主にピコスポットによる施術が行われます(※)。
※施術方法の選択方針は医院・クリニックによって異なります。
まとめ
この記事では、ピコレーザーによるシミの除去について以下の内容を解説しました。
- シミ治療におけるピコレーザーの特徴
- ピコレーザーを用いたシミの除去方法
- ピコレーザーで処置が可能なシミの種類
ピコレーザーでは、従来のレーザーと比べて短い照射秒数かつメラニンを細かく粉砕できることから、肌へのダメージを抑えながらシミの改善を図れます。
一般的に濃いシミにはピコスポット、薄いシミにはピコトーニングによる施術が行われます。シミの濃さや範囲、肌の状態などを踏まえたうえで、患者に合った施術方法を選択することが重要です。
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