ほくろの除去にピコレーザーを用いるメリット・デメリットと施術の流れ
ほくろとは、メラニン色素を生成するメラノサイトが集まることによって肌の表面に現れる色素斑のことです。
美容目的でほくろを除去する場合にはさまざまな施術方法がありますが、なかでも肌へのダメージを抑えやすいとされるのが“ピコレーザー”です。
美容クリニックの担当者は、患者に対してほくろの除去に関する施術方法の選択肢やピコレーザーを用いるメリット・デメリットを正しく伝えられるようにしておく必要があります。
この記事では、ほくろの除去に用いられる一般的な施術方法とピコレーザーによる施術を行うメリット・デメリット、施術の流れについて解説します。
出典:厚生労働省『厚生労働科学研究補助金(地域医療基盤開発推進研究事業)令和3年度分担研究報告書』
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ピコレーザーで除去できるほくろの特徴
ほくろの除去には、ピコレーザー以外にもさまざまな施術方法があります。ほくろの大きさや根の深さによって用いられる施術方法が異なります。
▼ほくろの除去で行われる施術方法
施術方法 |
概要 |
対象とする主なほくろ |
切除縫合法 |
周囲を切開してほくろの切除と縫合を行う方法 |
直径5mm以上の盛り上がったほくろや根の深いほくろ |
電気分解法 |
電気メスの熱によってほくろを焼き切る方法 |
直径5mm以下の盛り上がったほくろや根の深いほくろ |
炭酸ガスレーザー |
レーザー照射による熱でほくろを蒸散させて除去する方法 |
直径2mm以下のほくろや根の浅いほくろ |
ピコレーザー |
レーザー照射による衝撃波で肌のメラニンを破壊してほくろを薄くする方法 |
直径2mm以下の薄く平らなほくろ |
ピコレーザーは、メスによってほくろを取り除くのではなく、レーザーによる衝撃波によってほくろのメラニンを破壊する仕組みです。
数回の照射によってほくろの色を薄くする原理となるため、大きなほくろや盛り上がったほくろ、根の深いほくろには適していません。主に小さく平らなほくろの除去に用いられることが一般的です。
ほくろの除去にピコレーザーを用いるメリット・デメリット
ほくろの除去にピコレーザーを用いる際は、ほくろの状態や肌質などを確認したうえで、患者にメリット・デメリットを分かりやすく説明することが重要です。
メリット
ピコレーザーでほくろを除去するメリットには、以下が挙げられます。
▼ほくろの除去にピコレーザーを用いるメリット
- 傷跡が残らない
- ダウンタイムを短くできる など
レーザーの衝撃波によってほくろにアプローチするピコレーザーでは、外科手術で皮膚の表面を削る必要がないことから、肌に傷跡が残る心配がありません。
また、炭酸ガスレーザーと比べてほくろ周辺の肌細胞へのダメージを抑えられるため、施術後のダウンタイムが短くなりやすい(※)こともメリットの一つです。
※個人差があります。詳しくはメーカーにお問い合わせください。
デメリット
ほくろの除去にピコレーザーを用いるデメリットには、以下が挙げられます。
▼ほくろの除去にピコレーザーを用いるデメリット
- 盛り上がったほくろや根の深いほくろには対応できない
- 一度の施術では除去できない場合がある など
切除縫合法と電気分解法では、肌の表面を削ってほくろを根本から除去できるため、大きく盛り上がったほくろや根の深いほくろにも対応することが可能です。
ピコレーザーの場合は、定期的にレーザーを照射してほくろを徐々に消退させることから、対応できるのは小さく平らで薄いほくろに限られます。また、ほくろの濃さにもよりますが、一度の施術ではほくろを取り切れない場合があります。
ピコレーザーでほくろを除去する流れ
ピコレーザーによるほくろの除去では、1~3ヶ月の間隔で複数回(※)の照射を行うケースが一般的です。ほくろの状態や患者の肌質に応じて、施術間隔と照射回数を検討する必要があります。
※間隔や回数は医院・クリニックによって異なります
①カウンセリング
ピコレーザーの施術前に、患者へのカウンセリングを行います。
肌や除去したいほくろの状態を診察したうえで、施術内容とアフターケアについて説明を行います。患者の肌質や健康状態、体調などによってはピコレーザーの施術を受けられない可能性があるため、事前に確認しておくことが重要です。
なお、ピコレーザーによる治療ができない人については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
②施術
患者に洗顔をしてもらい、メイクや汚れを落としてから施術を行います。
ほくろを除去する際には、主に麻酔クリームや局部麻酔で患部への麻酔を行ってからレーザーを照射します。
▼ほくろを除去する際に使用する麻酔
麻酔の種類 |
概要 |
麻酔クリーム |
麻酔成分を含むクリームを肌の表面に塗布する方法 |
局部麻酔 |
麻酔薬を患部に直接注射する方法 |
また、ピコレーザーによる施術にはいくつか照射方法がありますが、ほくろの部位にピンポイントでレーザーを照射できる“ピコスポット”が適しています。
なお、ピコレーザー治療による痛みの伝え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
③術後の対応
ピコレーザーの照射を行ったあとは、ガーゼやテープによって患部を保護します。施術後の肌はレーザーの衝撃波によって敏感な状態となっているため、紫外線や摩擦を防ぐケアが必要となります。
▼ピコレーザーの施術後に必要な患者へのケア
- 肌の保湿
- 紫外線対策
- 内服薬の処方 など
ピコレーザーの施術後に行うケアについては、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
まとめ
この記事では、ピコレーザーを用いたほくろの除去について以下の内容を解説しました。
- ピコレーザーで除去できるほくろの特徴
- ほくろの除去にピコレーザーを用いるメリット・デメリット
- ピコレーザーでほくろを除去する流れ
美容目的で行われるほくろの除去には、大きさや色の濃さなどによって適した施術方法が異なります。ピコレーザーの場合は、ほくろを根本から取り除くのではなく、メラニンを破壊して徐々に色を消退させていく仕組みのため、2mm以下の小さく薄い平らなほくろの除去に適しています。
ほくろの除去にピコレーザーを用いると、皮膚を削る施術方法と比べて傷跡が残りにくいほか、施術後のダウンタイムを短くできるメリットがあります。ほくろの状態や患者の肌質に応じて、施術間隔と照射回数を検討することが重要です。
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詳しくは、こちらの資料をご確認ください。