ピコレーザーとヤグ(YAG)レーザーは何が違う? 肌質・肌悩みに合わせた施術が大切
シミ・アザの治療や肌質改善、タトゥー除去などのさまざまな肌悩みにアプローチする手段として、レーザー治療が用いられます。なかでもピコレーザーとヤグレーザーは、レーザー治療において比較されやすいアプローチ方法です。
レーザー治療の導入を考えている美容クリニックの担当者のなかには、「ピコレーザーとヤグレーザーの仕組みはどう違うのか」「どのように治療方法を使い分ければよいのか」など気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ピコレーザーとヤグレーザーの違いについて解説します。
目次[非表示]
- 1.ピコレーザーとヤグレーザーの違い
- 1.1.①レーザー治療の原理
- 1.2.②主な治療対象
- 1.3.③肌への負担
- 1.4.④ダウンタイム
- 2.幅広い肌悩みにアプローチできるピコレーザー
- 3.まとめ
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ピコレーザーとヤグレーザーの違い
ピコレーザーとヤグレーザーは、レーザーを照射することで肌へアプローチする治療方法です。レーザー治療を行う原理や治療対象、肌への負担、ダウンタイムなどに違いがあります。
①レーザー治療の原理
ピコレーザーとヤグレーザーは、肌にレーザーを照射することでメラニン色素を破壊して、肌の再生促進や肌質改善を図ります。レーザーを1発照射する際の秒数(パルス幅)やメラニンを破壊する原理に違いがあります。
▼ピコレーザーとヤグレーザーの仕組み
レーザー |
1発当たりの照射秒数 |
治療の原理 |
ピコレーザー |
ピコ秒(1兆分の1秒) |
衝撃波によるメラニンの粉砕 |
ヤグレーザー |
ナノ秒(10億分の1秒) |
熱エネルギーによるメラニンの破壊 |
照射秒数がピコ秒の場合は、ナノ秒と比べて肌の周辺組織に影響が起こりにくく、メラニンをより小さく破壊することによって代謝処理が早くなります。
出典:厚生労働省『厚生労働科学研究補助金(地域医療基盤開発推進研究事業)令和3年度 分担研究報告書』/環境省『(参考)ライダーについて』
②主な治療対象
ピコレーザーとヤグレーザーは、主に以下の治療に用いられます。
▼ピコレーザーとヤグレーザーの主な治療対象
- シミ
- アザ
- 肝斑
- 色素沈着
- そばかす
- タトゥー・アートメイク除去
- 肌のたるみ
- 肌質改善 など
ただし、ヤグレーザーは黒・茶・青の色に対して反応しやすい一方で、それ以外の色に反応しにくい性質があります。一方のピコレーザーは幅広い色に対して反応するため、シミが薄い場合やカラータトゥーの除去を行う場合には、ピコレーザーが適しているといわれています。
なお、ピコレーザーによる肌のたるみ治療については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
③肌への負担
ピコレーザーのほうが、ヤグレーザーよりも肌への負担(※)を抑えやすいとされています。
美容医療におけるレーザー治療では、レーザーの照射によって生じる熱によって肌に負担がかかりやすくなります。ピコレーザーはヤグレーザーと比較してレーザー光の照射時間が短いほか熱を利用しないため、肌への負担を抑えやすいと考えられます。
このことから、レーザー治療による肌の熱損傷や施術後の色素沈着についてもピコレーザーのほうが起こりにくいといわれています。
※個人差があります。詳しくは美容クリニックやメーカーなどにお問い合わせください。
④ダウンタイム
レーザー治療による赤みや腫れが落ち着き、かさぶたが自然とはがれるまでのダウンタイムの長さについて、目安となる期間がピコレーザーとヤグレーザーで違いがあります。
▼ダウンタイムの目安(※)
レーザー |
ダウンタイムの目安 |
ピコレーザー |
数日~1週間程度 |
ヤグレーザー |
1~2週間程度 |
なお、ヤグレーザーの場合はダウンタイム中に保護テープを用いて患部を保護する必要があります。一方、ピコレーザーの場合は肌の回復が早くダウンタイムが短くなりやすいことから、保護テープが不要な場合もあります。
※個人差があります。詳しくは美容クリニックやメーカーなどにお問い合わせください。
幅広い肌悩みにアプローチできるピコレーザー
ピコレーザーを用いた治療を行うことで、肌への負担を抑えながら幅広い肌の悩みにアプローチできます。
ピコレーザーとヤグレーザーを比較すると、次のようになります。
▼ピコレーザーとヤグレーザーの比較
比較項目 |
ヤグレーザー |
ピコレーザー |
1発当たりの照射時間 |
ナノ秒(10億分の1) |
ナノ秒より短いピコ秒(1兆分の1) |
治療の原理 |
熱エネルギー |
衝撃波 |
治療対象(色への対応) |
黒、茶、青 |
全色(薄いシミにも対応) |
施術後の赤みや腫れ |
多少あり |
少ない |
施術後の色素沈着 |
起きる可能性がある |
起きにくい |
ダウンタイムの目安期間 |
1~2週間程度 |
数日~1週間程度 |
ただし、肌の状態や治療の目的によってはヤグレーザーのほうが適しているケースもあります。どちらがよい・悪いではなく、肌悩みや肌質に合った施術方法を選ぶことが重要です。
なお、ピコレーザーによる治療ができないケースについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
この記事では、ピコレーザーとヤグレーザーの違いについて以下の内容を解説しました。
- ピコレーザーとヤグレーザーの違い
- 幅広い肌悩みにアプローチできるピコレーザー
ピコレーザーとヤグレーザーは、いずれもレーザー照射によって肌悩みの改善やタトゥー除去などを行う治療方法です。
治療の原理やダウンタイムなどに違いがあり、ピコレーザーのほうが肌への負担を抑えながら幅広い治療に対応できるとされています。
ただし、肌の状態や治療の目的によってはヤグレーザーのほうが適しているケースもあると考えられます。肌悩みや肌質、そのときの状態に応じた施術を選択することが重要です。
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