光治療(IPL)でニキビの改善は期待できる? アプローチの仕組みとは
美容医療の分野で用いられる施術方法の一つに“光治療(IPL:Intense Pulsed Light)”があります。幅広い複数の波長の光を用いることで、さまざまな肌悩みに対して同時にアプローチできる点が特徴といえます。
光治療によるアプローチが可能な肌悩みの例として、ニキビやニキビ跡が挙げられます。
美容クリニックの担当者のなかには、「光治療によってどのようにニキビを改善できるのか」「ほかの治療法との組み合わせは可能なのか」などと気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、光治療によるニキビの改善について、アプローチの仕組みやほかの治療法との組み合わせを解説します。
光治療に関する資料は、こちらからダウンロードしていただけます。
目次[非表示]
- 1.光治療でニキビ・ニキビ跡にアプローチする仕組み
- 2.ほかの治療法と組み合わせたアプローチも有効
- 2.1.①レーザー治療
- 2.2.②ケミカルピーリング
- 2.3.③マイクロニードル
- 2.4.④イオン導入
- 2.5.⑤内服薬・外用薬
- 3.まとめ
光治療でニキビ・ニキビ跡にアプローチする仕組み
光治療では、幅広い波長の光が照射されることで、肌に対して複数の作用をおよぼします。これらの作用の影響によって、ニキビ・ニキビ跡の改善が期待できます。
ニキビ
光治療では、以下の作用によってニキビの改善が図れます。
▼光治療によるニキビへのアプローチ
- ニキビの原因となるアクネ菌を殺菌する
- 赤み・炎症を抑える
- 光による熱で皮脂腺にダメージを与えて角栓を溶解する
光治療で用いる光には殺菌・抗炎症作用を持つ波長の光が含まれています。また、光によって生じる熱が角栓を溶解させることから、毛穴のつまりを解消させる効果も期待できます。
ニキビ跡
ニキビ跡には大きく分けて3つの種類があり、光治療ではそれぞれに対して異なるアプローチによって改善を図れます。
▼ニキビ跡の種類と光治療によるアプローチ
ニキビ跡の種類 |
光治療によるアプローチ |
赤み型 |
毛細血管中のヘモグロビンを凝固させて赤みを取り除く |
色素沈着型 |
ニキビの炎症によって生成されたメラニン色素の排出を促す |
クレーター型 |
ニキビによってダメージを受けた真皮層に作用して肌質の改善を図る |
ニキビの炎症によって赤みや“炎症後色素沈着”と呼ばれるシミが残っているニキビ跡の場合、光治療によって赤み・シミを取り除くことが期待できます。
また、ニキビによる炎症が悪化すると、肌の奥にある真皮層がダメージを受けて凸凹としたクレーター型のニキビ跡になることがあります。光治療は真皮層にもアプローチできるため、クレーター型のニキビ跡に対しても有効です。
なお、光治療で期待できる効果についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
ほかの治療法と組み合わせたアプローチも有効
光治療はニキビ・ニキビ跡に対して有効とされる一方で、肌へのダメージを抑えたマイルドな光を使用することから、効果を実感するには複数回の施術が必要です(※)。
より効率的に改善を図りたい場合、肌の状態に応じて複数の治療法を光治療に組み合わせる方法も考えられます。
※個人差があります。詳しくは美容クリニックやメーカーなどにお問い合わせください。
①レーザー治療
レーザー治療とは、光治療とは異なる波長・パルス幅を持つ光によって肌悩みにアプローチする施術です。特に、レーザー治療として最新といえるピコレーザーは、従来のレーザー治療よりも肌へのダメージを抑えたうえで肌悩みの解消が図れます。
ピコレーザーでは、3種類の照射方法を使い分けることでさまざまなニキビ跡へのアプローチが可能です。
▼ピコレーザーによるニキビ跡へのアプローチ(※)
照射方法 |
特徴 |
ピコトーニング |
低出力のレーザーを広範囲に照射することで、色素沈着型のニキビ跡を少しずつ除去する |
ピコスポット |
出力の高いレーザーをピンポイントで照射することで、色素沈着が濃いニキビ跡を集中的に除去する |
ピコフラクショナル |
レーザーを点状に照射して肌の真皮層に働きかけることで肌の再生を促進して、赤み型やクレーター型のニキビ跡にアプローチする |
なお、光治療とレーザー治療の違いや、ピコレーザーによるニキビ跡への治療についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
※照射方法の選択方針は医院・クリニックによって異なります。
②ケミカルピーリング
ケミカルピーリングとは、専用の薬剤を顔に塗布することで古い角質を取り除いて、肌質改善を図る施術です。
ケミカルピーリングによって、ニキビおよびニキビ跡の改善へ向けたアプローチが行えます。
▼ケミカルピーリングによるニキビ・ニキビ跡へのアプローチ
- 毛穴に詰まったニキビを溶解させる
- アクネ菌やメラニンを除去する
- ターンオーバーを整えることでニキビを予防する
③マイクロニードル
マイクロニードルとは、極細の針によって肌に細かな穴を作ることで肌の自然治癒力を活性化させる施術です。
マイクロニードルによって真皮層が刺激されることで、ターンオーバーが促進されてニキビ・ニキビ跡にアプローチできます。
▼マイクロニードルによるニキビ・ニキビ跡へのアプローチ
- 肌を再生させてニキビ跡の改善を図る
- ターンオーバーを整えることでニキビを予防する
- 抗炎症作用を持つ薬剤をマイクロニードルで開けた穴から浸透させる
④イオン導入
イオン導入とは、薬剤・化粧品を肌に塗布したうえで弱い電流を流すイオン導入と呼ばれる施術です。
イオン導入を行うと、ニキビ・ニキビ跡に効果が期待できる有効成分が肌に吸収されやすくなります。
▼イオン導入によるニキビ・ニキビ跡へのアプローチ
- ビタミンC・Eによってメラニンの生成やアクネ菌の増殖を抑制する
- ビタミンAによってターンオーバーを促進させる など
⑤内服薬・外用薬
内服薬や外用薬を活用することでも、ニキビ・ニキビ跡へのアプローチが可能です。
▼内服薬・外用薬によるニキビ・ニキビ跡へのアプローチ
- 抗菌剤によってアクネ菌を殺菌する
- 抗炎症剤によってニキビや赤み型のニキビ跡の改善を図る など
また、イオン導入と同様にビタミンを始めとする有効成分が含まれた薬品を使用することも有効です。
まとめ
この記事では、光治療によるニキビの改善について以下の内容を解説しました。
- 光治療でニキビ・ニキビ跡にアプローチする仕組み
- 他の治療法と組み合わせたアプローチ
光治療では、幅広い波長の光によって、さまざまなニキビ・ニキビ跡へのアプローチが可能です。
ただし、光治療は複数回の施術で徐々に改善を図る施術のため、より効率よくニキビ・ニキビ跡に対処するには他の治療法と組み合わせることも有効です。
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